APtrikes125 横にドアが取付出来ない理由

APtrikes125に乗っていると『ドアがないから冬寒くないですか?』良くご質問を頂くことがあります。
寒いは寒いのですが、普通のバイクに比べれば寒くはないですし、適切な防寒着を着込んで昨年も乗っておりました。

製造元の中国では、ドアがあるタイプも販売されているようですが、日本では道路運送車両法上、運転席の側面にドアを付けてはいけない事になっております。

APtrikes125にドアなどを付ける事が出来るのか?
付けた場合にフロントガラスが曇ってしまう、一酸化炭素中毒の可能性、保険が適応されない可能性など色々とマイナス要素などもありますので、そのあたりを事をまとめてみました。

目次

側車付き軽二輪(トライク)の構造上の定義

APtrikes125の車両区分、側車付き軽二輪(トライク)の構造上の定義としては、

●3個の車輪を備えるもの
●またがり式の座席
●ハンドルバー方式の舵取り装置
●運転者席の側面が構造上開放されている

道路運送車両法上 保細第2条第1項第4号ロ

後部座席の側面は問題なし

以上がトライクとしての定義されており、後部座席の側面にドアを付ける事は、法律上の問題はありませんが、
運転席の左右にドアを付ける事は保安基準の違反車両になってしまいます。

側面にドアがある構造にするには、ミニカー登録(乗員1名)、小型自動車登録(車検あり、車庫証明が必要、税金・保険車並み)になってしまい側面にドアなどを付けて、別の車両区分に登録するとAPtrikes125の3人乗り、バイク程度の維持費というメリットがなくなってしまいます。

側面が構造上開放

運転席の側面が構造上開放されている点ですが、具体的な例がなく判断も曖昧なのが現状です。
こういった乗り物で、空け締め出来るドア構造でなくても、面積に関係する訳ではないみたいですが、乗り越えたりする必要があると開放されてないと見なされる事もあるみたいです。

また構造物でなく、布などで覆ってしまう場合も、側面視界が確保出来てない点で、『運転に必要な視野を有する』という別の保安基準違反になる可能性があります。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第183条

側面視界が確保の為、透明なアクリル板等を設置した場合は、固定してある構造物と見なされる恐れがあります。

透明なビニールシートなどを付けた場合は、乗り降りに支障がなければ構造物として見なされない場合もありえるという曖昧な状況で、解釈次第で合法、違法の判断が分かれグレーな状態です。

具体的には

✕ 透明でない布等で側面を覆う 
✕ 透明アクリル板等を設置する 
△ 足元等を板で覆う
△ 透明なビニールシートを取付ける 

どうしても実施したい場合は、側車付き軽二輪車の登録を扱う、運輸支局または軽自動車検査協会に、個別に問い合わせる必要があるかと思いますが、
具体的な例がなく、合法、違法の判断が分かれるような装置は無理をして取り付けない方が良いと思います。

透明ビニールシートを取付けた場合

合法の可能性のある透明なビニールシートを取付けるという方法ですが、

ある程度固定しないと、走行時に風圧でバタつき危険なのと固定しすぎると構造物と見なされる危険がある点。
フロントガラスなどに送風する機能もないAPtrikes125では、フロントガラスが曇ってしまう問題もあります。
またAPtrikes125のマフラーは車体中央の横から出ており、左右が開放された通常の状態でも排ガス臭くなる時もあるので、ビニールシートで覆うと籠もってしまい、長時間運転時などは、一酸化炭素中毒の可能性も考えられます。

他にも違法と判断されなくても、部品と取り付けた事で保険が適用されない可能性があります。

ペイントやマフラーやタイヤ交換などであれば、ドレスアップの範囲なのですが、構造が変わる様な部品取付に関しては、事故等を起こした際に『本来の性能や機能を発揮できない改造』として保険適用外と判断される可能性があります。
これは個別の保険会社の判断になるので一概に判断が出来かねますが、判断が分かれる部品やカスタムに関しては取り付けないで乗ることが望ましいと思います。

最後に

寒くなると、APtrikes125にドアやビニールシート等を付けたい考える方もも多いと思いますが、現状では違反車両になってしまう可能性、フロントガラスが曇る点、EV車両であれば大丈夫ですが、ガソリンエンジンのAPtrikes125は一酸化炭素中毒の危険性などがありますので、取付けて走行するのは無理な状況です。

ドアやビニールシートの取付けが合法・違法の判断より、保険が適応されない可能性がある点が、1番大事な点なのかと思います。
あくまで可能性の話ですが、事故を起こしてしまった際に自損、他損に関わらず保険が適応されなかった場合は経済的損失だけでなく、精神的にも大きなダメージになりますので、ドアなどでの防寒対策ではなく、他の方法での防寒対策をするべきかと思います。

昨年の冬もAPtrikes125に乗って過ごしましたが、シートヒーター、後部座席のひざ掛け、首、手首、足首とホインとをしぼった防寒対策で乗っておりましたが、普段は普通のバイクに乗っている事もあり、APtrikes125で冬でも移動や保育園の送迎をしてました。

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